01調査概要

前報で報告した通り、4大AI検索エンジンが引用するドメインの重複率はわずか約10%である。では、その「わずか10%の共通部分」にはどのようなドメインが含まれているのか。

本報告では、9,891件のドメイン引用データから抽出した全4エンジン共通の引用ドメインTOP10と、全4エンジンが共通して推薦するブランドTOP15を公開する。これらは「どのエンジンに対しても効果がある」掲載先であり、GEO施策の優先順位を決める上で極めて実用的な情報である。

調査データ: 9,891件のドメイン引用 / 37キーワード / 4エンジン / 22日間(2026年2月27日〜3月29日)

1,843個のユニークドメインのうち、4エンジン全てが引用したのはわずか81個(4.4%)。

02全エンジン共通 引用ドメインTOP10

4エンジン全てが引用したドメインを、引用回数の合計で順位づけした結果が以下である。

Table 1 ── 全4エンジン共通 引用ドメインTOP10
順位ドメイン引用回数種別
1my-best.com184比較メディア
2youtube.com179動画プラットフォーム
3prtimes.jp114プレスリリース
4coeteco.jp112スクール比較
5aspicjapan.org92SaaS比較
6it-trend.jp85SaaS比較
7diamond.jp81ニュースメディア
8note.com72UGC / ブログ
9boxil.jp69SaaS比較
10cosme.net58口コミサイト
Figure 1 ── 全4エンジン共通 引用ドメインTOP10(引用回数)
my-best.com
184
youtube.com
179
prtimes.jp
114
coeteco.jp
112
aspicjapan.org
92
it-trend.jp
85
diamond.jp
81
note.com
72
boxil.jp
69
cosme.net
58

1位: my-best.com(マイベスト)

比較メディアが引用回数1位を獲得した。マイベストは家電、コスメ、金融、食品など幅広いカテゴリの比較記事を展開しており、全4エンジンが「信頼できる比較情報源」として引用している。自社がマイベストの比較記事に掲載されることは、全エンジンに横断的に効くGEO施策と言える。

2位: youtube.com(YouTube)

YouTube上の動画コンテンツも全エンジンが引用する。ただし、AIエンジンが読んでいるのは動画の映像ではなく、タイトル・説明文・字幕(トランスクリプト)のテキスト情報である。動画内でブランド名が口頭で言及されていても、字幕が設定されていなければAIは認識できない(LLMO対策の詳細を参照)。

3位: prtimes.jp(PR TIMES)

プレスリリース配信プラットフォームが3位に入った。PR TIMESへのプレスリリース配信は、全エンジンに対してブランドの存在を認知させる有効な手段である。ただし、プレスリリースの引用効果は掲載されるドメインの権威に依存する。PR TIMESのドメイン権威が高いからこそ引用されているのであり、配信プラットフォームの選択は重要である。

03共通ドメインの種別分析

81個の全エンジン共通ドメインを種別に分類すると、以下の構造が見えてくる。

比較メディア
TOP10中 4サイト
my-best.com / coeteco.jp / aspicjapan.org / boxil.jp
プラットフォーム
TOP10中 3サイト
youtube.com / note.com / prtimes.jp
ニュース・口コミ
TOP10中 3サイト
diamond.jp / cosme.net / it-trend.jp

TOP10の内訳: 比較メディア4 + プラットフォーム3 + ニュース・口コミ3。

自社の公式サイトは1つも入っていない。全エンジンが共通して引用するのは「第三者の評価・言及が集まるドメイン」である。

この結果は、GEO施策において自社サイトのSEO強化だけでは不十分であることを強く示唆する。自社サイトを検索上位に押し上げても、そのドメインを引用するのは一部のエンジンに限られる(エンジン間の引用重複率は約10%)。一方、比較メディアやプラットフォームに掲載されれば、全エンジンが引用する可能性がある。

04企業が今すぐできること

本調査の結果から、全エンジンに横断的に効くGEO施策の優先順位は以下の通りである。

優先度 1: 比較メディアへの掲載

TOP10の4割を比較メディアが占めている。マイベスト、coeteco、BOXIL、IT Trend、ASPICなど、自社の業種に対応する比較メディアに掲載されることが最優先の施策である。比較メディアへの掲載は有料の場合もあるが、掲載依頼(無料)を受け付けているメディアも多い。具体的なAI検索対策の進め方も参照されたい。

優先度 2: YouTubeでのブランド言及

YouTube上で自社ブランドが言及されている状態を作る。自社チャンネルでの発信に加え、レビュー動画や比較動画で取り上げてもらうことも有効である。字幕(トランスクリプト)にブランド名が含まれることが重要であり、手動字幕の設定が推奨される。

優先度 3: PR TIMESでのプレスリリース配信

新製品、アップデート、受賞、調査レポートなど、ニュースバリューのある情報をPR TIMESで定期的に配信する。AIエンジンはPR TIMESを信頼できる情報源として引用している。

優先度 4: noteでの専門コンテンツ発信

note.comも全エンジン共通の引用先に入っている。業界知見や事例を含む専門的な記事を定期的に投稿することで、AIの引用対象になる可能性がある。

重要: これらの施策は「全エンジンに効く」ベースライン施策である。個別のエンジンに対する最適化(ChatGPTの権威性重視、Perplexityのユーザー評価重視など)は別途必要になる。エンジン別の施策についてはChatGPTとGeminiで推薦が違う理由およびLLMO対策7選を参照されたい。

05調査方法

本報告のデータは「AI検索4エンジンの引用重複率を約1万件で独自測定」と同一のデータセットに基づく。詳細な調査方法は同報告を参照されたい。

Table 3 ── データ概要(再掲)
項目数値
ドメイン引用数9,891件
ユニークドメイン数1,843個
4エンジン全てが引用したドメイン81個(4.4%)
対象業種美容、HR SaaS、金融、転職、教育 等